S社様
「キャリアドック・プログラム」
導入背景
1998年設立以降、経営者の知見や専門性を生かし、経営者自らが動き、事業の拡大や多角化を図ってきたが、今後は経営理念のもと従業員がより主体的に自走できる体制にしたいと考えている。そのためには従業員自らがキャリア形成意識を持ち、成長していくことが必要である。また、従業員同士のコミュニケーションの活性化、経営者と従業員の想いの共有化も求められる。そこで、キャリアドック・プログラムを導入し、対話を通した組織活性化を図る研修およびキャリアコンサルティングを実施した。
取組み概要
STEP 1 経営者へのヒアリング
創業時の想い、経営理念、人材育成方法、現在の課題感、従業員への期待などを伺い、研修とキャリアドックを通しての目的、目標を設定。
STEP 2 事前説明&ガイダンス研修
テーマ
対話を通して”強みを⽣かした未来“を描く
目的
- ワークを通して、お互いの良さや思いを知り、相互理解を図る。
- 未来の職場像を描くことができる。
- キャリアコンサルティングの目的を知り面談の心構えをする。
実施時間
2時間
実施内容
1.自己紹介&仲間のいいとこ探し(ハイポイント・インタビュー)
- これまでの仕事経験の中で、最も嬉しかったこと、充実感を得た体験などを 1人ずつ語り、聴き手は自己紹介を聞いて「いいところ」だと思ったことをフィードバックする。
- 挙がった「いいところ」を全員で俯瞰し、共通項を見出す。
2.会社の未来のキーワードづくり
- 2年後どのような職場にしたいか、キーワードを付箋に書き出し、各⾃発表する。
- メンバー共通の「ポジティブ・コア(価値観・強み)」を抽出して、メンバーの価値観、強みを⽣かした「未来の職場像」のイメージを共有する。
3.キャリア・ガイダンス
STEP 3 キャリアコンサルティング(個別⾯談)実施
目的
- 個別の⾯談を通じ、「キャリア形成の意味」と「⾃⼰成⻑に必要な能⼒開発等」について気づき、⾃らがキャリア⾃律に向け考えることを促す。
- ⼈材育成上の課題やキャリアに対しての現状意識を把握する。
実施時間
1人1時間程度
実施内容
- 「ライフ・ラインチャート」を活⽤し、これまでの仕事に対する気持ちの変化 や充実していたこと、得た⼒、今後やりたいことなどを整理していく。
- ⾯談後のアンケート
「キャリアドック・プログラム」に対する参加者の評価と社内エンゲージメント 度の確認を⽬的にした「個別アンケート」 および「キャリア意識調査」の実施
STEP 4 経営者への実施報告(レポート提出)
以下項⽬についてフィードバック
- 研修やキャリアコンサルティングを通しての従業員の⾔動や、反応、所感
※フィードバックは守秘義務の範囲内によるものとする - 「社員エンゲージメント(NPS 指標分析⼿法の活⽤)」と「キャリア意識調査」の結果
- キャリアコンサルティング結果から想定される問題点
成果
- 「ハイポイント・インタビュー」を通し、普段では聴く機会がない仲間の充実していた体験を聴くことで、これまで知らなかった側⾯に触れることができ、お互いの良さを知ることができた。また良さを伝え合うことで、関係性の質も⾼まり、互いを尊重しあう意識が⽣まれた。
- 「会社の未来のキーワードづくり」では職場に対する想いを語る機会になった。⽇頃⾔えない課題感を率直に伝え、活発な意⾒交換をする機会となった。
- 「キャリアコンサルティング」では、これまでの歩みを振り返り、現在のあり⽅を整理し、今後のキャリアを考えるきっかけとなった。キャリアについてのホンネ(外的・内的キャリアの両⾯)を短い時間の中で知ることが出来た。
- 「社員エンゲージメント」の結果からは、「期待の明⽰」「貢献の実感」「帰属の実感」「成⻑の実感」の4つの指標から社員の意識調査ができ、⾼い項⽬と低い項⽬が明確になり、良い点と今後の課題の認識ができた。
- 「キャリア意識調査」では、従業員のキャリア意識を「職務意識」、「⾃分のことを知っている度合い」、「将来のイメージ」、 「現在と将来に向けての取り組み」、「⼼⾝の健康、ワーク・ライフ・ハランス」の 5 項⽬ 25 問を質問した。そこから意識が⾼い項⽬と低い項⽬が明らかになり、良い点と今後の課題が認識できた。
従業員のコメント
- 同じ職場で働きながら各々多忙で話す時間がなかったが、各⼈を知ることができた
- 社員の⽅々のバックボーンを知ったことで親近感が持てた。
- 共通の課題を同じ⽬線で話し合うことができ、とても良い機会となった。
- ⾃⾝のキャリアについて改めて考えることができた。⾃分を振り返る良い機会となった。
- ⼈に語ることで⾃分の状況や思いを整理できた。
- ⾃分の考えを認めて、受け⽌めていただけた。
経営者のコメント
従業員との対話がなかなか持てない中、研修やキャリアコンサルティングを通して、従業員の考えていることがわかり、また良い点と合わせ課題も⾒えてきた。真摯に受け⽌めて、組織の活性化を⽬指していきたい。