キャリアコンサルタント_コラム

 「この年齢からでも、キャリアコンサルタントの勉強を始めて大丈夫でしょか?」と先日も、50歳代の女性の方から聞かれました。一般社団法人地域連携プラットフォームで行っている「キャリアコンサルタント養成講習」の説明会でも、そのような質問を受けることが度々あります。

 そうした質問には、いつもこう答えます。
 「キャリアコンサルタントの勉強を始めるのに、年齢はいっさい関係ありません。」
 
 実際、国家資格キャリアコンサルタントには、70歳代の方も合格していると聞いていますし、最近では学生(大学生や短大生、専門学校生)の受験も増えています。
 年齢は関係なく、誰にでも門戸が開かれているのが、この国家資格キャリアコンサルタントだと言えます。

 私が説明会をやっている「キャリアコンサルタント養成講習」では、どちらかというと中高年以降の方の参加が目立ちます。
 50歳代を中心に、60歳代、40歳代という順番で参加者が多いわけです。
 その年代の方達には、次のように話すことも多々あります。
 「あえて申し上げれば、経験がむしろ有利に働く職業がキャリアコンサルタントだとも言えます。」

 キャリアコンサルタントは、心理カウンセラーや臨床心理士の方々とは異なり、かなり現実的なアドバイスや指導をしなければならない場面に遭遇します。
 例えば、「長年主婦業をやってきたが、また働き始めたい」という方がいた場合、どのような仕事が向いているのか、という事を面談をしながら一緒に考えていく事になるのですが、そこでは例えば小売業や飲食業、あるいは介護業界の仕事の内容や就職のしやすさ等について知っていた方が、キャリアコンサルタントとして有利です。
 年齢を重ね、多くの人と会って、世の中の事がいろいろとわかっていた方が、知見が広がっている分、より良いアドバイスや指導ができる可能性があるのではないでしょうか。

 もちろん、20歳前後の学生の方でも知識を得ることで対応できるようになりますし、学生や人事関係の若手社員が資格を取ると、就職や昇級でとても有利、という話もありますから、お若い方にもキャリアコンサルティングの勉強を勧めるのですが、一方、長年の経験や知見を持った方が、いいキャリアコンサルティングを行いやすい、とも言えるのではないか、と思っています。

 面談(カウンセリング)を実際に行うにあたっての姿勢と年齢との関係についても考えてみたいと思いますが、それについては、稿を改めて次のコラムで書いてみます。

執筆者:柴田郁夫
(一般社団法人地域連携プラットフォーム代表理事、1級キャリアコンサルティング技能士)