「リーダーシップの今」グリーンリーフのサーバントリーダーシップ

 今回は、リーダーシップについてです。リーダーシップは色々なことが多くの方から言われています。今回は一人の方に絞って話をしようと思います。

 ロバート・K・グリーンリーフが提唱している「サーバントリーダーシップ」です。

 凄くおおざっぱにリーダーシップ論の大きな流れを言いますと、グレートマンシップのようなものが元々ありました。もう世紀に一人出てくるかどうかっていう人を取り上げて、それでその人は偉人ではないかと、偉人でないとリーダーになれないんじゃないか。そういうふうな議論がかつてはあったわけですが、さすがにそういう偉人論というのは今はほとんど言われないです。そんな何でもできるみたいなそういうリーダーというのは今では想定できません、この複雑な世の中では。そういう中では「シェアードリーダーシップ」、いろいろな役割を分担(シェア)して担う、そういうリーダーシップ論が出てきたりしています。

 リーダーは、人を引っ張っていくものだと思われてる方も多いと思います。しかし、この「サーバントリーダーシップ」はちょっと違います。「サーバント」という言葉、皆さんはどう訳されますか。直訳すれば「召使い」という意味です。つまり、召使いのようなリーダーがいいんではないかと言ったのが、リーンリーフだと思っていただきたいです。彼は「サーバントリーダーシップ」の考えを、ある一冊の小説からヒントを得たと語っています。それはヘルマン・ヘッセの「東方巡礼」という小説です。

 どのような話かと言うと、東方を巡礼する一団があり、それはすごくいいグループで、そこにレーオという召使いがいました。皆を喜ばせるために、レーオは歌を歌うなど、いろんな準備を行います。また、泊る場所や必要なものの調達などもしっかり行っていました。しかし、突然、何かの理由でレーオがいなくなってしまいました。そうすると、その巡礼の一団は人間関係などギクシャクして、いろいろなことが上手くいかなくなって、巡礼は計画通り行かなくなり、途中で終わってしまいました。その後、小説の語り手がレーオに偶然再会して話を聞くと、実はレーオはその巡礼を主催したある教団の最高の地位(司祭)にある人だったということがわかります。

 この話に触発されて、グリーンリーフは「サーバントリーダーシップ」という概念を考えました。まずは、召使いのように集団の中で立ち回るというリーダーシップが「サーバントリーダーシップ」と呼ばれています。これは、今の時代に必要であるのではないかと彼は言っています。これは、組織開発の中でも、ひとつのトピックでもあります。

 実際に、皆さんの部署で自分がリーダーであった場合に、どのようなスタンスで部署を回していくか、どのようなスタンスで長(リーダー)としてスタッフと対応するのかを考えるときの一つの参考にしていただければと思います。

上記コラムの説明動画です。

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(柴田郁夫)