セカンドキャリアとキャリアコンサルタント

 「セカンドキャリアとキャリアコンサルタント」というテーマでコラムを書くにあたり、ふと定年制っていつごろからあるのだろうか?という疑問が浮かびネットで検索していると、独立行政法人 高齢者・障害・求職者雇用支援機構のHPの中の高齢者雇用の支援のページで「マンガで考える高齢者雇用」というものを見つけました。

定年制度の始まりは明治20年から?

 現在、最古の定年制度として記録に残るのが東京砲兵工廠(とうきょうほうへいこうしょう)の職工規定と言われています。職工は「渡り職工」と呼ばれる専門的かつ高い技術力もった今でいうエンジニアで、給与など条件の良いところへ転職する割合が高く、年間で80~100%とほぼ全員が転職していたようです。転職を防止する意味で1887年(明治20年)に制定されたこの規定には、55歳を定年とする定めが記され、一定期間以上働くと退職時に手当を支給する退職金制度も設けられていたようです。当時は平均寿命が43歳前後で、55歳定年というのは非常に長く、ほぼ終身雇用といったイメージであったと考えられます。

東京砲兵工廠(1930年)
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

 しかし、現在では平均寿命が当時と比較して30歳程度延びており、それに準じた期間とは到底言える長さではありませんが、雇用期間としても少しずつ改定が重ねられ、現在では定年年齢が60~65歳前後まで延長になりました。しかしながら、ほとんどの企業では定年以降は正社員時の70%以下の給与で契約社員として働いており、モチベーションをもって働いている方は少ないのが現状ではないでしょうか。

 そういった中でも、明治時代の職工と同様にいわゆるポータブルスキルを持っている人は自分自身のやりたいことと業務が一致しており、定年退職後も継続してモチベーションも高く、比較的高額の給与で働いています。

 自分自身を振り返ってみても「比較的恵まれた環境で興味のある業務を契約社員となった今でも続けられているな」と感じています。

何故そのように思えるのか?

 改めて振り返ってみると「様々な環境変化の中で、自分自身で判断し、転機をつくり、決定し、実行してきた」からではないかと思います。要は、「今ここ」での状態は全て自己責任の結果、振り返えることで次の転機を創り出せるということのように思います。

人生初めてのキャリアコンサルティング

 キャリアコンサルティングと出会ったのも定年間際の58歳の時、人事面談を社会人人生で初めて要望した時、対応していただいた方が「キャリアコンサルタント」でした。そのことから、興味を持ち、情報収集を行い、自分自身の投資ということで高額な資格取得研修を申込、半年のあいだ毎週土曜日を研修に充て資格を取得しました。
そこで出会ったメンバーは、会社とは違う世界の大切な財産となりました。

 少しだけ前に踏み出す勇気があれば、その後の世界は変わると思います。

 定年という転機に際し、これまでの人生「キャリア」を自分自身の強みとして生かせる職業として「キャリアコンサルタント」も一つの選択肢と感じています。
人生「キャリア」における様々な出来事を、バックボーンとなる理論で裏付けることで、それぞれの出来事を強みに変えることができます。

私たちキャリアコンサルタントがそのお手伝いをしますので、皆さまも一度人生を振り返ってみてはいかがでしょうか?

(沢辺 良勝)