組織開発(OD)とは

私どもの一般社団法人 地域連携プラットフォームが設けている「組織キャリア開発士」という資格について、前回のコラムでご説明しました。この資格のベースとなっているのは「組織開発」という分野です。それは一般的に「OD」と呼ばれています。これは「Organization Development」、つまり組織を開発していくという意味です。Developmentにはいろいろな日本語訳があり、「展開していく」と訳されたり、「個人の生涯発達」というように「発達」と訳されたりします。ということで、一般的にODは「組織開発」と訳されます。

どのようなことをやる分野かというと、一言で言ってしまえば、「組織を良くしていこう」あるいは「組織を元気にしよう」というような分野です。例えば、私たちは「組織キャリア開発士」という資格を名乗っているので、ある企業に外部から入って一種のコンサルティングを行います。キャリアコンサルティングがベースにある私たちには、1対1で面談するというスキルを持っているので、コンサルティングでは経営者の方のお話をお聞きするだけではなく、従業員のひとりひとりの話を聞くことも行います。さらに、組織も個人と同様にひとつの生命体だと考えている私たちは、その組織という生命体をいかにして元気にするか、そのようなことを行うのがODの分野なのです。

その中で、個人にも焦点を当てていくというキャリアコンサルタントの背景を持つ組織キャリア開発士の活動では、「組織も元気にする」、「組織も元気にする」ということになるわけです。ODの話に絞りますと、ベースになっているのは「グループダイナミクス」という分野です。これは学問分野と言ってもよいです。ダイナミクスというのは、日本語では「力動」とか「力学」と訳されます。人が集まる、グルーブになることで、そこにはいろいろな力が働き、グループとしての「動き」が生まれてくるわけです。よく、1+1が2以上になったり、1+1が3になったり、あるいはもっとすごいことが起きた、というような話を聞いたことがあると思いますが、そのようなことを研究してきたのが、グループダイナミクスです。このようなものも応用しながら、組織をいかに元気にしていくか、よくしていくかを行うのがODだと思ってください。

組織キャリア開発士の方々は、具体的に、どうしたら組織が元気になるのかという手法、グループダイナミクス等の学問分野などを踏まえた知識のベースを持っています。そのことにより、その組織、その企業、例えば中小企業なら中小企業に合わせた「介入」をしてきます。そのうえで、その組織を元気にしていくことをするのが組織開発(OD)という分野だと考えていただければよいと思います。

上記コラムの説明動画です。

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(柴田郁夫)